5月25日、衆議院厚生労働委員会では、質疑の途中で野党6党派が加藤厚生労働大臣の不信任決議案を衆議院に提出しました。
午後に開催された衆議院本会議において、加藤大臣への不信任決議案の審議では、賛成討論に立った立憲民主党の西村智奈美議員(厚生労働委員会野党筆頭理事)が、「加藤大臣には国民の命と健康を守る改革に真摯に取り組むことを期待していたが、これ以上、大臣の重責を任せるわけにはいかない」と2時間6分にわたって提案理由を説明しました。不信任決議案は、自民党・公明党等の反対多数で否決されました。
17時前に再開された厚生労働委員会では、立憲民主党から西村智奈美議員、国民民主党から岡本充功議員が質問に立ちましした。
西村議員は、「過労死をなくしたいという家族の会の切実な思いを受け止めるのであれば、いま、大臣の取るべき行動は『働き方改革関連法案』から高度プロフェッショナル制度を削除することだ」と加藤大臣に強く迫りました。
岡本議員は、高度プロフェッショナル制度に関して、医師の面接指導の結果と制度との関連や交代勤務が身体に与える影響等について質問しました。また、修正合意に含まれた高度プロフェッショナル制度の対象労働者の同意の撤回に関し、同意の撤回に関する不利益取扱いの規定の有無について質問しました。提出者である自民党の橋本議員は、労使委員会の決議事項に対象労働者の同意の撤回に関する手続きを追加し、同意の撤回に関する不利益取扱いの禁止は指針に定める旨を回答しました。
厚生労働省の労働時間調査に次々とミスが見つかり、野党は審議の中で「法案の前提が崩れた」と再調査を再三求めていましたが、厚労省は応じていませんでした。こうした中、25日にも新たにミスが発覚しています。野党が精査を求めましたが、加藤厚生労働大臣は応じない考えを示し、与党は採決に踏み切りました。
多くの野党が審議継続を求め「強行採決」だと訴え、傍聴をされていた過労死家族の会の皆さんの悲痛な叫びが聞かれる中、可決されました。
全労金は、連合の呼びかけによる傍聴行動に参加しました。25日は、構成組織・地方連合会・連合本部事務局より22名が参加しています。