全国労働金庫労働組合連合会は、全国の労働金庫と関連会社に働くすべての労金労働者の生活と権利の向上、暮らしの安定、労働金庫事業の発展のために活動しています。
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3.18シンポジウム
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3.18シンポジウム
3.18「年越し支援・コロナ被害相談村」シンポジウム
3.18「年越し支援・コロナ被害相談村」シンポジウム
年末年始に開催された「年越し支援・コロナ被害相談村」の報告にあわせて、「コロナ経済危機下における雇用と生存権~再び労働と貧困の問題を問う~」と題し、都内・連合会館とオンライン併用でシンポジウムが開催されました。全体の出席は 170名(会場42名・オンライン 128名)であり、全労金組織からは18名(全労金四役5名(会場)・単組13名(オンライン・全労金中央執行委員含む))が参加しました。内容は、①主催者挨拶、②現状報告、③パネルディスカッション。
①冒頭、実行委員会共同代表の鈴木剛氏(全国ユニオン・会長)から、本シンポジウムを開催した趣旨について「政府は、コロナに関して解雇等の被害を受けた労働者は9万人と示しているが、実態はもっと多いと考えている。私達は10年前の『年越し派遣村』にも関わったが、あの時よりも被害の広がりは深刻である。被害にあった労働者は年代を問わず、休業・解雇・雇止め等、相談は多岐に渡っていることに加えて、若年層・女性の相談が多いこと、衣食住に係る生活の破綻についての相談が多いことも特徴である。この10年、雇用や生活保障の点での公的保証が大きく後退した。これらは政府が新自由主義政策による『自己責任化』を進めてきた結果であり、国の責任放棄に他ならない。まずは公的な責任を問い、そのうえで、どうやって政治家が政策を展開していく必要があるのか、議論する場にしたい」と述べられ、開会しました。
②瀬戸大作氏(新型コロナ災害緊急アクション・反貧困ネットワーク事務局長)からは、相談内容の深刻度合いが増している現状に触れ「昨年までは『死にたくないけど死んでしまう』の相談だったが、1月以降は『死のうと思ったが死ねなかった』に変わってきている」として、福祉相談の窓口の対応が、厚労大臣の「生活保護は権利だ」の発言に反して、水際で追い返す等悪化している現状に触れました。加えて、「相談者の4割は女性」「住まいのない方に向けたシェルターの利用者の7割は外国人」等の実態を報告し、昨年末以降、家賃を払えず住居を出される等、より厳しい状況が頻発していることに触れました。また、目下の課題として、様々な公的給付等の支援制度はあれど、「今困っている人」に向けた即効性のある公的支援制度がないこと、並びに、外国人を含めた就労に関する公的支援、を挙げ、国に対し、支援の制度化を求めていくとしました。
②大久保修一氏(コロナ被害相談村実行委員・日本労働弁護団)より、年末年始に開催した「年越し支援・コロナ被害相談村」について、実行委員会発足からの経緯、及び、当日の取り組み概況について報告を受けました。3日間の相談者数は、延べ 344人(男性 279・女性62・不明3)、スタッフ・ボランティアは 350人以上、カンパ金は約 161万4千円に上ったことが報告されました。なお、相談者の特徴的な傾向として、「女性が多かったこと」「30~60代の相談者が多い中、20代の相談者もいたこと」「3分の1の方は住まいを失い、路上・公園・ネットカフェ等での生活を余儀なくされていること」「電話が無い、または、料金滞納で使用できず、仕事に就けない方が7割いたこと」「3分の1の方は収入がないこと」「3割弱が所持金 1,000円以下であったこと」「生活保護に対する抵抗感・拒否感を示す方が多かったこと」「4割がコロナの影響を受けていること」等が挙げられました。
②3月13~14日に開催した「女性による女性のための相談会」について、松元千枝氏(実行委員代表・ジャーナリスト)より開催経緯、及び、取り組み概要が報告されました。年末年始の相談村を訪れた相談者の声から、「より相談しやすい環境を作る」ことを目的に、女性のみによる運営、プライバシーに配慮した設営、キッズスペースの整備、カフェスタイルの設定、野菜・フルーツ・白米の配布、生理用品・衣服・バッグ・花の配布等を行った結果、2日間で 122人の相談者が来訪することとなり、相談者からは、大変好評であったことが報告されました。
③政策提言に関するパネルディスカッションを開催し、コーディネーターに棗一郎氏(コロナ被害相談村実行委員・日本労働弁護団)、パネリストに関根秀一郎氏(コロナ被害相談村実行委員・派遣ユニオン)、吉祥眞佐緒氏(コロナ被害相談村実行委員・一般社団法人エープラス)、瀬戸大作氏、雨宮処凛氏(新型コロナ災害緊急アクション・反貧困ネットワーク)、鳥井一平氏(移住者と連帯する全国ネットワーク代表理事)が登壇しました。
雨宮氏・瀬戸氏からは「住まいの確保が何よりも重要」として、災害救助法に基づく見なし仮設方式による住宅支援、若者への家賃補助制度、緊急シェルターの整備、民間賃貸住宅入居の際の公的保証制度の構築が提起され、吉祥氏からは、「女性による女性のための相談会」での経験から、申請しやすい直接給付金の制度化が提起されました。また、関根氏からは労働相談を数多く受けている経験から、「時給・日給制におけるシフト勤務」の問題として、「シフトがないこと自体は休業に当たらないため、休業補償の必要はない」とする企業の見解に対し、厚労省が指導できないことが問題であり、早急な是正が必要としました。そして、そのような問題を発生させている根本の原因である非正規雇用をなくしていくことが必要としました。加えて、鳥井氏からは、外国籍の労働者に対する行政のアクセスとリーチが不足していることが問題として、対象者に日本人のみを意識した行政書類の書式や手続きの煩雑さを挙げ、取り残される人が生まれない国や行政の対応が求められるとしました。
その後、会場からの発言として、都労連の中川氏から、公務現場の実態として、専任ではなく兼任によるコロナ対応によって、過労死水準の超過勤務が発生していることや、都知事のパフォーマンスが伴うトップダウンの政策決定による現場の混乱、縦横の連携不足の実態等が披瀝され、「労働組合としても糾していく」との決意が述べられました。
最後に、棗氏から取りまとめとして、各人から出された提言を踏まえ、「まずはこれが必要」とシンプルな形で取りまとめ、国に要請していくとともに、緊急事態宣言の解除有無に関わらず、今後もこの取り組みは継続していく必要があるとの認識から、参加者に引き続きの協力が呼びかけられ、閉会しました。
シンポジウムの様子
シンポジウムの様子
「女性による女性のための相談会」
活動報告
「女性による女性のための相談会」
活動報告
雨宮処凛氏
吉祥眞佐緒氏
吉祥氏報告
関根秀一郎氏
鳥井一平氏
会場からの発言
会場からの発言
竹信三恵子氏
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