全労金2020春季生活闘争の収束にあたり
全労金2020春季生活闘争は、金庫・事業体・関連会社(以下『金庫等』)との交渉の結果、4月8日までに全単組が基本合意を表明し、交渉が終結しました。全組合員の総意で確立した要求の実現に向けて、金庫等との厳しい交渉で奮闘された単組闘争委員会の皆さん、闘争委員会を支えていただいた組合員の皆さんに心から敬意を表します。
全労金2020春季生活闘争は、すべての職員が、お互いを思いやり、労金業態で働くことに自信と誇りを持つことができる組織風土に改革する観点から、4点の基本スタンスを掲げたうえで、連合や全労金方針、全組合員アンケート(11月実施)集約結果等、組合員との議論を踏まえ、金庫・事業体と交渉を進めました。
しかし、統一要求提出日(2月26日)の翌日である2月27日以降に、政府や文部科学省から示された「新型コロナウイルス感染拡大に対する学校等の一斉臨時休業要請」を受け、全労金組織として「春季生活闘争を通じて『組織強化』や『組織風土改革』を進めることを目的としていることを踏まえれば、今、労働組合に求められる最も重要な役割は、労働条件交渉ではなく、職場運営や職員の勤務体制、休暇取得に関わる方法や運用を、労使協議で整えること」と考え、春季生活闘争の中断を判断しました。
単組は、金庫・事業体へ春季生活闘争の中断を申し入れた以降、学校等の休業に伴う休暇取得者や取得希望者の人数、休暇を取得する場合の取り扱い、遅出・早退や時差出勤の対応等、組合員の皆さんの不安や悩みを把握したうえで、金庫・事業体に課題認識を示し、協議を進めてきました。また、WEBを活用した全国会議等で、単金単組の協議状況を共有したこともあり、「当初、年休による休暇取得を特別有給休暇へ見直す」「新型コロナウイルスに感染した場合や感染が疑われる場合に、安心して治療等に専念できる休業とする」等、継続して協議を進めました。
全労金は、単組の協議報告を取りまとめたうえで、2020春季生活闘争の交渉・協議を再開する判断は、交渉を中断した要因である「学校等の休業に伴う業務運営と休暇取得者の状況把握」や「学校等の休業が長期化・拡大した場合等の対応」等について、単金単組で充分に認識が揃ったと単組が判断できる場合に再開することとし、3月末日を目途に交渉・協議を進め、4月以降に合意・妥結時がずれ込むことも全単組で認め合うことを確認しました。
3月中旬以降から交渉・協議を再開した結果、新型コロナウイルス感染症に伴う経済情勢の不透明感等もありましたが、「基本賃金」「年間一時金」ともに多くの単組で改善が図られました。また、安定雇用、最低賃金、雇用に関する環境整備等の要求も「前進する回答」が示されました。この結果は、単組闘争委員会が交渉・協議を積み重ねてきた成果であるとともに、交渉・協議の当事者である金庫等も、労働組合の要求に向き合い、職員・組合員へのメッセージを回答として示したものと受け止めています。
全労金は、金融機関や労金業態を取り巻く厳しい環境とともに、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う様々な対応を乗り越えるためにも、労使が協議を積み重ね、互いが共通認識に立ったうえで、労金業態が社会的役割を果たし、労金運動や労働者自主福祉運動を展開していくことが不可欠であると考えています。
そのためにも、私たち全労金組織14単組・ 9,000名の組合員は、知恵と力を結集するとともに、互いを思いやり助け合う中で、働きがいを感じ、安心して働き続けることができる職場環境と、健全な組織風土を構築しましょう。
また、2020春季生活闘争で明らかとなった労働組合の課題については、解消に向けた対策を早急に講じるとともに、全労金組織全体で「運動の統一・強化・底上げ」を図り、2021春季生活闘争に繋げていきましょう!
2020年4月10日
全労金中央闘争委員会
中央闘争委員長 末留 新吾
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