2020年2月13~15日にかけて、静岡県三島市の東レ総合研修センターで、「全労金・労済労連第15回組合学校」を開催し、全労金・労済労連より、41名が参加しました(全労金からは21名が参加)。内容は、①主催者代表挨拶、②U NI連帯挨拶、③基調講演「労働組合役員に求められること」、④講演「労働組合の存在意義と役割」、⑤講演「連合ジェンダー平等・多様性に関する取り組みについて」、⑥両組織の男女平等参画の取り組み、並びに、春季生活闘争方針の説明、⑦分散会、⑧まとめ、でした。
①では、全労金・末留委員長、労済労連・本多委員長が、組合学校の開催意義や経過、本組合学校の主要テーマ等、に触れながら、主催者を代表して開会にあたっての挨拶を行いました。
②では、UNI-LCJ森川事務局次長より、UNIの組織紹介、特徴的な取り組みを紹介するとと もに、連帯の挨拶を受けました。
④東京共同法律事務所所属の宮里邦雄氏(全労金顧問弁護士・元日本労働弁護団会長)を講師に招き、「労働組合の存在意義と役割」について講演を受けました。冒頭、JR東労組の大量集団脱退や連合の組織率が年々低下していることを踏まえ、2003年9月の連合評価委員会・最終報告で警告している「労働運動は量的危機とともに質的危機」はさらに深まっているとしたうえで、ⅰなぜ労働者は団結を必要とするのか、ⅱ労働条件決定に関する法的権限からみた労働組合の役割、ⅲ労働組合をめぐる現状、ⅳ現状がもたらしている影響、ⅴ課題について講演を受けました。また、講演のまとめとして、「働く者の闘いがなければ、労働者の権利も労働法も守られない。よって、『働き方改革関連法』(長時間労働の是正、嘱託等労働者の処遇格差の是正)の実効性は、運用の改善や制度の見直しを求める労働組合の活動によって担保される。また、労働組合は、身近な存在となっているか、頼れる活動をしているか。絶えず団結の自己点検をする必要性がある。『団結なければ権利なし』である」とされました。
⑧では、全労金・櫻井副委員長から、「今回の組合学校では、『労働組合の組織強化に向けて』をテーマに、労働者自主福祉運動・労働組合の役割発揮・男女平等参画について講演を受け、分散会を実施した。相互利用に関する統一方針をなぜやらなければならないのかという点について、しっかり認識をもって職場の組合員にも伝えて欲しい。皆さんはその重要な担い手の一員である。労福協70周年・連合30周年を迎え、両組織とも向こう10年間のビジョンを策定した。この中では、労働者自主福祉運動を広めていかなければならないことが双方に謳われている。労金と労済は、労働者自主福祉運動における車の両輪であり、どちらかが生き残って、どちらかが無くなるということはない。改めて、双方の連携を確認して欲しい。また、労働組合の役割発揮として、あえて、ここでは組織の弱体化というが、それは昨日始まったものではない。昔の大会議案書を見れば、自分の組織でも組合活動が活発な時代の記録も残っていると思う。では、皆さんの労働組合の活動や職場組織を振り返った時、一定は機能していたとしても、まだまだ本来の労働組合の役割に足る活動になっていないというのが今回の6グループの報告であった。皆さんが分散会で考えたアイデアは、この間の先輩たちも同じ課題にぶつかり、取り組んできたものも多いのではないか。よって、皆さんの考えた取り組みをしても、なぜ課題が解消されていないのか、それぞれの組織でさらに考えて取り組んで欲しい。これは、男女平等参画の取り組みとも通ずる話である。また、男女平等参画では、女性役員を選出することを目的化しないことが重要である。今回は分散会テーマの中でも女性としたが、本来は多様性を考えていかなければならない。全労金組織で言えば嘱託等組合員は4人に1人に上る。より多くの組合員の意見をどう拾い上げるか。今回の議論をその一歩目の議論として欲しい」とまとめを述べ、閉校しました。