※端末によりご覧になれない場合がございます。
全労金2021春季生活闘争の収束にあたり
全労金2021春季生活闘争は、金庫・事業体・関連会社(以下『金庫等』とする)との交渉の結果、本日、セントラル労組の基本合意により、全単組で交渉が終結しました。新型コロナウイルス感染症の影響が都道府県や地域での違いがある中、単組では、組合員・職場組織・中間組織と、要求主旨や要求内容の認識を一致する努力を積み重ね、全組合員の総意で確立した要求の実現に向けて、金庫等との交渉を展開してきました。
組合員の想いを背景に奮闘された単組闘争委員会の皆さん、そして、闘争委員会を職場から支えた組合員の皆さんに、心から敬意を表します。
全国の職場で働く役職員・組合員のみなさんは、この1年、「労働金庫における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」にある通り、労働金庫が、社会機能の維持に不可欠な金融インフラとして、そして、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた利用者への迅速、適切かつ柔軟な対応に努め、労働金庫の役割を発揮するために奮闘してきました。
私たちが2021春季生活闘争で掲げた要求は、この奮闘に応え、労金業態で働くすべての労働者が、安心して働き続けることができる職場環境・労働条件を実現し、モチベーションを持ち、今後も労働金庫として社会的役割を発揮するために、厳選して掲げた要求です。
単組が交渉を積み重ね、交渉当事者である金庫等も労働組合の要求に向き合い、職員・組合員へのメッセージを回答として示した結果、要求に対して「満額」「昨年実績以上」となった成果がありました。しかし、要求主旨は理解するものの、今後の不透明感等により、固定費増加を伴う賃金の引き上げや、原資の増加を否定することのみに固執する金庫等もあった他、この間、議論したことがない年間一時金の考え方や、要求にはない項目を交渉で示す等、労使の認識をそろえるのに時間を費やす単金・単組もありました。
春季生活闘争は2~3月だけの取り組みではありません。2021春季生活闘争で明らかとなった労働組合の課題解消に向けて、早急に対策を講じていく必要があります。今後、2021春季生活闘争における課題を様々な観点から明らかにするとともに、課題解消に向けた考え方や取り組みを全組合員で展開することで、「運動の強化・統一・底上げ」を図り、2022春季生活闘争に繋げていく必要があります。
連合は、2021春季生活闘争の目的に、「国民生活の維持・向上をはかるため、労働組合として、社会・経済の構造的な問題解決をはかる『けん引役』を果たす闘争である」ことを掲げています。
春季生活闘争は、集団的労使関係のある労働組合が、労働組合や組合員のためだけに賃金・労働条件の引き上げや職場環境の改善を求めているのではなく、賃金・労働条件、職場環境の改善を図り、最低賃金法や労基法等の法律を上回る労働協約等を改定することで、法律の改善につなげていくことも目的にしています。そのことによって、労働組合に組織されていない労働者に対しても、賃金・労働条件、職場環境の改善に波及することから、経済・社会の好循環につなげ、持続可能な社会を実現していく、重要な役割を担っています。
この目的や役割は、コロナ禍により、業種・業態の置かれた状況に違いがあっても、今後の見通しが不透明な状況にあっても同様であり、深刻な影響を受けている今の状況を克服し、将来世代に希望がつながる持続可能な社会を実現していくためには、経済・社会の責任を担う労使が、あらゆる機会を通じて対話を重ねることが重要です。
全労金は、“今の厳しい環境を乗り越えるためには、労使が共通認識に立ったうえで、事業運営を展開することが不可欠である”と認識しています。そのためにも、私たち全労金組織14単組・ 9,000名の組合員は、将来(未来)への責任を果たすため、春季生活闘争での成果を踏まえて2021年度の事業に邁進するとともに、春季生活闘争が収束した以降も、「今こそ全国の仲間と思いをひとつに!心は密に団結を」を継続し、働きがいを感じ、安心して働き続けることができる職場環境の整備と、健全な組織風土を全員で構築しましょう。
2021年3月19日
全労金中央闘争委員会
中央闘争委員長 末留 新吾
|