第5回は、参議院議員の吉川さおり氏(情報労連組織内議員)を講師として、「労働組合と市民と野党の共闘~現政権の課題と私たちの役割~」をテーマに、全労金・単組役員40名が参加して開催しました。
冒頭、政治家を志すきっかけとなった学生の頃の経験として、大学時代は、4年間奨学金の貸与を受けながら、早朝、宅配便でのアルバイトを続け、大学生活を送ってきたことを触れ、その中で、女性にのみ指示されたタイムカードの打刻時間の違いについて紹介されました。吉川氏がこのアルバイトをしていた期間は、大学入学後すぐの1995年5月から卒業直前の1999年2月まででしたが、社会人になった1999年4月に労働基準法が改正施行され、これによって、女性の労働時間、時間外、及び、休日勤務、深夜業務等の規制の条文が削除され、原則的に女性は男性と同じ労働条件で労働することが出来るようになりました。この事象から、誰もが働きやすい環境を整備することは、政治に求められる大きな役割の一つであると強く感じながら生活してきたことが紹介されました。さらに、自身は、1998年に就職活動を経験したが、この世代は、いわゆる「就職氷河期」真っ只中であり、会社に資料請求をしても、会社説明会に行っても、採用試験を受けても、企業はその門戸を大幅に狭めていた、もしくは堅く閉ざしていた年代であったことを説明され、結果、希望の職に就けないまま、望まない雇用形態で仕事を余儀なくされている方が多いとされました。
また、一般的に企業は、正社員としての勤務経験がないまま年を重ねてしまった非正規雇用者を正規雇用化することに二の足を踏んでいる現状があることも紹介されました。そのうえで、非正規雇用という働き方を自ら選んだのではなく、就職活動をした年の経済環境によって雇用状況が左右されることは、不運としか言いようがなく、就職活動をしたときの景気に左右されるような人生の不運は、極力修正すべきであると考え、就職氷河期世代の実状を把握すること、政府が責任を持って職業能力訓練の機会を設けること等、この問題に対する政治の役割は非常に大きいと感じていることを訴えました。さらに、両親や親せきにも政治家はいない一般的な家庭に育った自分が、「法律を変えたい」とのおもいで政治家を志したことが述べられました。